2020.12.02
いつから再開すべき?リアルイベント・リアル展示会の開催
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2020年、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るった影響で、従来までの生活様式や価値観が大きく変わりました。各業界・業種で行われるリアルイベント・リアル展示会も緊急事態宣言以降、開催を自粛するケースが増えており、頭を悩ませている担当者も多いのではないでしょうか。今回は中止となったリアルイベント・リアル展示会開催のタイミングや再開するうえでの注意点について紹介します。
- 目次
リアルイベント・リアル展示会の現況
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各種イベントの中止および規模縮小、オンラインイベント化する事例が増えています。国内に限らず世界各地で展示会の開催数は減少傾向にありましたが、業界内では再開に向けた動きも徐々に活発化しており、リアルイベント・リアル展示会の開催も2020年夏・秋ごろから増えてきています。日本貿易振興機構ジェトロの「世界の見本市・展示会情報(J-messe)」によると、2020年5月に開催された見本市・展示会は33件、9月は80件となっています。
―世界の見本市・展示会情報(J-messe)
https://www.jetro.go.jp/j-messe/tradefair/
増加するオンライン展示会・オンラインイベント
2020年はWEBサイトを主体とした展示会や動画、画像などを利用するオンライン展示会・オンラインイベントに切り替えるケースが急増しました。オンライン展示会では、イベントにより開催内容はさまざまですが、例としては、写真や社内のパネルなどをディスプレイに表示させてバーチャルのスペース内に展示するスタイルなどがあります。また、バーチャルのスペースにテーブルや小物を設置し、参加企業と来場者がビデオチャットを通して交流する手法も採用されています。
リアル展示会・リアルイベントも再開されている
緊急事態宣言が発令された2020年春ごろは多くのイベントが中止になりましたが、現在はリアルイベント・リアル展示会も再開しています。展示会主催企業の大手・リードエグジビションジャパンでも8月頃から東京、千葉、横浜、愛知などで展示会を開催しており、5会期連続で新型コロナウイルスの陽性者なしという結果を出しています。
―石積会長と田中社長が熱く語る コロナ禍の中、5連続成功の秘密
https://www.reedexpo.co.jp/RXJP/RXJP_ReedExpo_V2/documents/release/201105_newsrelease.pdf?v=637401360368137910
各イベント会場の対応策
再開に踏み出そうとしている担当者も増えてきていますが、実際にリアルイベントやリアル展示会の開催を再開するにはどんな点に注意すべきでしょうか。ここでは、東京都内のイベント会場における新型コロナウイルス感染症対策の事例をご紹介します。
・各施設での感染防止対策 内容 ・他者と共用する物品の消毒(テーブル、椅子、トレイ、貸出備品等) ・商品棚、カウンター、什器の消毒 ・入口への手指消毒液の設置 ・現金の取扱いを減らし、キャッシュレス決済を推奨 ・店舗、施設内の十分な換気 ・座席間の距離を確保したレイアウト ・飛散防止パネルの設置(レジ等) ・待機列での物理的距離確保のため床面にマークを貼付(入口、レジ) ・混雑時の入場制限 ・「感染防止徹底宣言ステッカー」の掲示 ・業務従事者の感染防止対策 ・検温の励行、発熱時・体調不良時の出勤停止 ・マスク着用、手洗いの徹底 ・ユニフォーム、制服のこまめな洗濯 ・業務時の手袋着用(レストラン) |
―展示会等における 新型コロナウイルス感染防止のための対応指針
https://www.bigsight.jp/visitor/news/2020/he55090000000weg-att/he55090000000wfp.pdf
東京流通センター
・消毒液の設置 ・ドア、窓開放などによる換気対策 ・ハンドドライヤーの使用停止 ・定期的な手すり等の消毒清掃 ・サーマルカメラの貸し出し(有料) ・アルコールハンドジェルの販売など |
サンシャインシティホール
・サンシャインシティ館内各案内所への消毒液の設置 ・空調による換気対策(共用部も含めて可能な限り最大量の外気を取り込みながら空調運転しており、 換気量を増強。) ・トイレの個室扉、便座の毎日除菌清掃(併せてハンドドライヤーの使用中止) ・施設運営スタッフの感染防止対策の徹底(マスク着用、手洗い励行、日々の検温等) |
―新型コロナウイルスに関する展示ホールでの感染拡大防止対策について(10 月 8 日改訂版)
https://co.sunshinecity.co.jp/file/pdf/exhibition/preventivemeasures.pdf
リアルイベント・リアル展示会開催時の注意点
展示会をリアルイベントとして開催する際は、国・自治体のルールを確認し、その内容を遵守したうえで企画を立案しましょう。ここでは、日本展示会協会のガイドラインを基に主な注意点を紹介します。常に最新の情報を常に取り入れ、イベントを行う自治体のルールも確認しましょう。
展示会でのルール
マスク着用を義務付ける
来場者やスタッフはもちろん、施工関係や運送会社など搬入出のときに関わるスタッフに対してもマスクの着用を義務付けましょう。来場者に対しては、手洗い、消毒、接触確認アプリ「COCOA」のダウンロードも呼びかけましょう。
ソーシャルディスタンスの確保
セミナーや式典を行う場合は演題に飛沫防止のシールドを設置し、登壇者と最善前列の席の距離を2メートル程度空けましょう。聴講者が座る席も前後1メートルほど間隔を設けるなどソーシャルディスタンスを意識した会場づくりを心がけてください。本来の収容人数よりも余裕を持った会場を選択することがポイントです。
検温とスタッフの体調確認
来場者に対しては検温と手指の消毒を行いましょう。スタッフの体調管理も徹底し、自社と参加企業に対して毎朝検温と体調確認を行い、37.5度以上の発熱がある場合や体調がすぐれない場合は会場に入れないようルールを徹底してください。
屋内イベントは換気する
屋内イベントの場合は、窓を原則すべて開放して換気に努めてください。また、会場内の空調(送風)を常時稼働させることも大切です。
【感染リスクが高まる5つの場面】※「分科会から政府への提言」より抜粋
飲酒を伴う懇親会 ・飲酒の影響で気分が高揚すると同時に注意力が低下する。また、聴覚が鈍麻し、大きな声になりやすい。 ・特に敷居などで区切られている狭い空間に、長時間、大人数が滞在すると、感染リスクが高まる。 ・また、回し飲みや箸などの共用が感染のリスクを高める。
大人数や長時間の飲食 ・長時間におよぶ飲食、接待を伴う飲食、深夜のはしご酒では、短時間の食事に比べて、感染リスクが高まる。 ・大人数、例えば5人以上の飲食では、大声になり飛沫が飛びやすくなるため、感染リスクが高まる。
マスクなしでの会話 ・マスクなしに近距離で会話をすることで、飛沫感染やマイクロ飛沫感染での感染リスクが高まる。 ・マスクなしでの感染例としては、昼カラオケなどでの事例が確認されている。 ・車やバスで移動する際の車中でも注意が必要。
狭い空間での共同生活 ・狭い空間での共同生活は、長時間にわたり閉鎖空間が共有されるため、感染リスクが高まる。 ・寮の部屋やトイレなどの共用部分での感染が疑われる事例が報告されている。
居場所の切り替わり ・仕事での休憩時間に入った時など、居場所が切り替わると、気の緩みや環境の変化により、感染リスクが高まることがある。 ・休憩室、喫煙所、更衣室での感染が疑われる事例が確認されている。 |
―詳細は新型コロナウイルス感染症対策分科会発表の「分科会から政府への提言」を確認
下記のリンクにより詳しい内容が記載されています。ご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000687179.pdf
日本展示会協会ガイドライン(第二次改訂版)もチェックしよう
展示会を開催する際は、日本展示会協会のガイドラインを参考にしましょう。第二次改訂版では、「ガイドラインを守って開催する旨をホームページ等で公表する」「セミナーにおける聴講者間の距離を緩和する」「主催者がマスクを持たない人にマスクを配布する」「交通機関や飲食店の分散利用を促す」などの点が変更になりました。
下記のリンクにより詳しい内容が記載されています。ご参照ください。
https://www.nittenkyo.ne.jp/shr/document/201006_guideline3.pdf
行政の情報などを参考にして展示会を企画しよう

コロナ禍であってもリアル展示会は再開されているよ
対策を考えた上でイベントを企画しよう