2021.11.08
【2021年版】新型コロナウイルスのワクチン接種で変化したイベント(展示会)への意識調査


2021年も新型コロナウイルスの猛威は衰えていませんが、ワクチン接種が随分普及してきました。これによりリアルイベント(展示会)に対する意識も変わってきており、感染症対策を徹底した中で開催されるケースが増えてきています。
今回は、新型コロナウイルスのワクチン接種が普及したことでイベント(展示会)参加への意識がどう変わったのか、アンケート調査の結果とともにご紹介します。
- 目次
新型コロナウイルスのワクチン接種状況
首相官邸によると、新型コロナウイルスワクチンの累計接種回数は8月30日時点で1億2,742万574回となっており、7月30日の時点で累計接種回数が8,400万9,438回だったことを考えると1ヵ月でおよそ4,341万回増加したこととなり、ワクチン接種が着々と浸透していることが伺えます。
公表日 |
ワクチン総接種数 |
2021年8月30日 |
127,420,574回 |
2021年7月30日 |
84,009,438回 |
2021年6月30日 |
43,504,931回 |
出展:首相官邸 (https://www.kantei.go.jp/jp/content/vaccination_data5.pdf)
イベント・展示会・セミナーの参加状況を新型コロナナウイルスワクチン接種前後で比較したアンケート
日を追うごとに増えていく、新型コロナウイルスワクチンの接種回数。こうした状況を受け、イベント・展示会・セミナーへの参加状況も変わりつつあります。以下では実際の参加状況に関するアンケートを紹介。新型コロナウイルスワクチン接種前後と比べ、どのような変化があったかを確認できます。
調査方法 |
インターネット調査 |
調査対象 |
121人(男性:36人 女性:85人) |
調査期間 |
2021年08月25日 |
Q1. ワクチン接種が始まって、コロナ禍で、会場に足を運ぶリアルのイベント・展示会・セミナーなどへの参加意識は変わりましたか?
選択肢 |
全体(120人) |
a. 行きたいイベント・展示会・セミナーが中止になったので、参加したくても結果的に全く行かなくなった。 |
32.2% (39人) |
b. 行きたいイベント・展示会・セミナーの開催はあるが、コロナが怖いので全て参加しないようにしている。 |
43.8% (53人) |
c. コロナは怖いが、自分にとって本当に特別なイベント・展示会・セミナーだけ参加するようにしている。 |
22.3% (27人) |
d. コロナは怖いが、イベント・展示会・セミナーが好きなのでできるだけ参加している。 |
1.6% (2人) |
e. コロナの影響は考えずにイベント・展示会・セミナーに参加している。 |
0% (0人) |
Q2. 会場でのコロナ対策の内容で、参加した・もしくは参加しようと思うものを選択してください。
選択肢 |
全体(120人) |
a. コロナ対策の有無はチェックしない。(ワクチン未接種) |
4.9% (6人) |
b. コロナ対策の有無はチェックしない。(ワクチン接種済) |
3.3% (4人) |
c. コロナ対策の有無はチェックするが、行きたいものであれば納得のいく対策がされていなくても特に気にしない。 |
5.7% (7人) |
d. マスク着用の義務、会場の消毒、入場時の検温・手指消毒、ソーシャルディスタンスの確保がされていたら参加する。 |
42.1% (51人) |
e. どのような対策があっても参加しない。 |
43.8% (53人) |
Q3. ワクチン接種が進んでいますが、オンライン(バーチャル)のイベント・展示会・セミナーについての考えを教えて下さい。
選択肢 |
全体(120人) |
a. できるだけオンライン(バーチャル)のイベント・展示会・セミナーに参加したい。 |
56.2% (68人) |
b. イベント・展示会・セミナーの内容によって、オフラインとオンラインを使い分けている。 |
21.4% (26人) |
c. オンライン(バーチャル)、オフラインの区別は考えずにイベント・展示会・セミナーに参加している。 |
3.3% (4人) |
d. オンライン(バーチャル)のイベント・展示会・セミナーしか開催されていないので、止む得なくオンラインに参加している。 |
4.9% (6人) |
e. オンライン(バーチャル)のイベント・展示会では物足りないので、できるだけ会場に足を運ぶオフラインのイベントや展示会に参加したい。 |
14.0% (17人) |
コロナ禍におけるリアルイベント・リアル展示会・セミナーなどへの参加意識
アンケートではリアルイベント・リアル展示会・セミナーなどへの参加意識に対するコメントも集まっています。
ここでは、前項でご紹介した「Q1.ワクチン接種が始まって、コロナ禍で、会場に足を運ぶリアルのイベント・展示会・セミナーなどへの参加意識は変わりましたか?」の設問に対するコメントの一部をご紹介します。
選択肢「a. 行きたいイベント・展示会・セミナーが中止になったので、参加したくても結果的に全く行かなくなった。」を選択した人のコメント
・感染者数が増えていきたいイベントはオンラインでしか開催していないから(30代女性) |
・イベントはその場の雰囲気を楽しむことも楽しみの一つなので、オンラインイベントに参加することに魅力を感じません。(50代男性) |
・私も新型コロナワクチン2回接種済ではありますが、変異株の動向を考えるとオンラインのイベントを優先せざるを得ないと思います。(50代男性) |
選択肢「b. 行きたいイベント・展示会・セミナーの開催はあるが、コロナが怖いので全て参加しないようにしている。」を選択した人のコメント
・やはり、オンラインで見るものと現地で見るものは違うので、使い分けて行きたいと思っている(30代女性) |
・ワクチン接種が済んでいない限り、オフラインイベントでの感染はとにかく恐い(接種が終わって十分な期間が過ぎたらできるだけオフラインに参加したいが)。(50代男性) |
・オンラインでは自分で得られる肌感覚による体験ができないから、物足りない。(30代女性) |
選択肢「c. コロナは怖いが、自分にとって本当に特別なイベント・展示会・セミナーだけ参加するようにしている。」を選択した人のコメント
・オフラインではイベントの醍醐味は味わえないから、オンラインを利用してまでイベントに参加しようとは思わない。(50代女性) |
やはりオンラインでは得られない感覚的なものが現地参加にはあるからです。(40代男性) |
・オンラインでの参加が難しいのでオフラインでの参加しかできない。ワクチンは既に接種しているので重症化はしないと思っている。ただ、変異型があるのでオフラインも参加しようか迷っている。(30代女性) |
選択肢「d. コロナは怖いが、イベント・展示会・セミナーが好きなのでできるだけ参加している。」を選択した人のコメント
・リアルイベントとオンラインイベントを使い分けることができるのならどこでも参加できると思いました。(40代女性) |
2020年度のアンケート結果と比較してわかること
この1年間でイベント(展示会)への参加意識がどのように変化していったか知るため、以下では2020年度のアンケート結果との比較した結果を紹介します。
1年前と最新版のアンケートと比較してみると、リアルイベントや展示会への参加意識は全体的に低下しており、「どのような対策があっても参加しない」という人は2倍以上に増えていることがわかります。アンケートの結果から、オンラインイベントへの参加意欲が高まっている面もあります。一方で、オンラインイベントの物足りなさから「やはりリアルイベントに参加したい」と考えている人がいるのも事実です。
「Q1. ワクチン接種が始まって、コロナ禍で、会場に足を運ぶリアルのイベント・展示会・セミナーなどへの参加意識は変わりましたか?」という設問に対する回答の比較
「コロナは怖いが、自分にとって本当に特別なイベント・展示会・セミナーだけ参加するようにしている。」という回答が18.3%(2020年)から22.3%(2021年)に増加しています。
このことから、新型コロナに対する警戒心は強まっており、参加するイベントや展示会が厳選されるようになったと考えられます。展示会参加が厳選されている中リアルイベント(展示会)に参加してもらうためには、「自分にとって特別なイベント・展示会」だと思わせるような企画が必要です。
「Q2. 会場でのコロナ対策の内容で、参加した・もしくは参加しようと思うものを選択してください。」という設問に対する回答の比較
2020年には「ワクチンが完成してからでないと安心できないので、どのような対策があっても参加しない。」という回答が20.8%でした。これに対し、ワクチンがある程度普及してきた2021年には「どのような対策があっても参加しない。」という回答が43.8%となっています。ワクチン接種率が上がった現在でも、リアルイベント(展示会)への参加を控える人が多いことが伺えます。
「Q3. ワクチン接種が進んでいますが、オンライン(バーチャル)のイベント・展示会・セミナーについての考えを教えて下さい。」という設問に対する回答の比較
「できるだけオンライン(バーチャル)のイベント・展示会・セミナーに参加したい。」という回答が45.8%(2020年)から56.2%(2021年)に増加しており、オンライン(バーチャル)の需要が高まっていることがわかります。
とはいえ、2021年のアンケートでは14.0%の方が「オンライン(バーチャル)のイベント・展示会では物足りないので、できるだけ会場に足を運ぶオフラインのイベントや展示会に参加したい。」と回答しているのも事実です。
このことから、オンライン展示会とリアル展示会を同時に開催する「ハイブリッド型」を検討してみるのも良いでしょう。
ハイブリッド型展示会の概要や開催方法をこちらで紹介しています。
https://www.trc-event.jp/column/?p=727&preview=true
コロナ禍でのリアルイベントや展示会を成功させるには
アンケート結果からもわかるように、現在はオンラインイベント(展示会)が増えつつあり、参加者側も「わざわざ会場へ足を運ばなくてもオンライン参加でも解決できる」と感じている方が多くなっています。従ってリアルイベント(展示会)を開催する場合は、オンライン開催との差別化やリアルイベント(展示会)ならではのアプローチが重要になってくるでしょう。
また、「マスク着用の義務、会場の消毒、入場時の検温・手指消毒、ソーシャルディスタンスの確保がされていたら参加する。」という回答が121人中51人と多数いることを考えると、リアルイベントに価値を感じている方も大勢いることがわかります。リアルイベント(展示会)を開催するには、リアルイベントに価値を感じている方が安心して参加できるよう万全な感染症対策を徹底し、それを周知・公表することが重要です。
リアルイベント(展示会)開催における新型コロナ感染症対策
リアルイベント(展示会)の開催には、新型コロナウイルス感染症対策の徹底が必須です。ここでは、リアルイベント(展示会)において最低限実施するべき感染症対策をご紹介します。
予定来場者数の把握
ガイドラインに沿った収容人数を徹底します。また、web登録などを利用して事前に予定来場者数を把握するとともに、キャッシュレス決済の導入を検討しましょう。
参加者及びスタッフの人数制限
ソーシャルディスタンスを保てる参加者数を設定します。また、以下の場合はイベントへの参加を制限しましょう。
・37.5 度以上の発熱
・息苦しさやだるさ、咳・咽頭痛などの体調不良
・新型コロナウイルス感染症陽性者と濃厚接触がある場合
・過去 14 日以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国、地域等へ渡航した場合
客席などの間隔を十分に確保する
ソーシャルディスタンスを確保できるよう、床面シール等貼付により最低 1m、できれば 2mの間隔をあけます。また、机や椅子についても間隔を十分に確保できるように設置しましょう。
定期的なアルコール消毒
展示会場内のブースやセミナー室などの高頻度接触部位を特定し、定期的に消毒を実施しましょう。特に、多くの人が共用する商談スペースやセミナー室等については、開始前後および1 回の使用毎の消毒・清掃が必要です。
検温・アルコール消毒
サーモグラフィー、非接触型体温計等の機器により、来館者に対する検温を実施します。入場の際には必ずアルコール消毒を実施してください。
また、会場内や入り口にアルコール消毒液を設置し、こまめに消毒できる環境を作りましょう。
マスク着用の徹底
参加者全員のマスク着用を徹底します。また、マスクを持っていない人がいた場合は配布を行ない、全員がマスクを着用できるよう準備しましょう。
施設や会場の十分な換気
空気中のウイルス濃度を減少させるために、館内共用部の窓を原則すべて開放し、館内の換気に努めましょう。
参加者や来場者への抗原検査実施
新型コロナウイルス感染の有無を判断する方法として抗原検査があります。抗原検査は約15~20秒で検査結果が判明するほか、誰でも手軽に検査ができるため、リアルイベントでの感染症対策として注目が集まっています。
展示会主催者向けガイドラインのチェックリストを活用しよう
一般社団法人 日本展示会協会では、展示会主催者向けに正しい感染症対策のチェックリストを公開しています。リアルイベントの開催を検討している場合は、こちらのチェックリストを活用するのがおすすめです。
https://www.nittenkyo.ne.jp/shr/document/20210217_checklist1.pdf
コロナ禍でもリアルイベントにこだわる企業・参加者は一定数いる!

現在はワクチン接種が普及しているけど、新型コロナウイルスに対する恐怖心は去年に比べて高まっているよね。とはいえ、そんな中でも「ワクチン接種が進んできたら参加したい」「リアルイベントの開催にはオンラインにはない価値がある」「リアルもオンラインもうまく使い分けしたい」と、リアルイベント(展示会)の参加に前向きな人もいることを忘れないようにしよう。
リアルイベント(展示会)の参加に意欲を示している人のためにもハイブリッド型のイベント(展示会)開催を検討したり、より万全な感染症対策を導入したりして、安全なリアルイベント(展示会)を開催していこう。
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